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気まぐれ日記(笑)
普通の日記・音声・バトン、なんでもアリの日記です♪
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ある日、戒厘ちゃんが部屋にこもっていた。

クスリの調合ではなさそう・・・


何をしているのか気になり、不思議に思った私は、
邪魔しないように軽く扉をノックして声をかけた。


「戒厘ちゃん?」
「はい?」

戒厘ちゃんは、私の方を見ることなく、声だけで返事をした。




あれ?
なんだろ・・・
なんかツマンナイ・・・





いつも返事するとき、必ず目を見てくれてた戒厘ちゃんが、
目を合わせてくれないだけで、なぜか疎外感を感じた私は、
少しの間彼女を見つめた。


「・・・?どうかしましたか??」


何も言わず、視線だけ感じたのか、戒厘ちゃん手元から目を離し
やっと私を見た。



「・・・・なんでもない・・・」



なんか、ものすごいくだらないことを考えた気がした私は、
少し恥かしくなって、ごまかすように部屋の中へ入り、
戒厘ちゃんの側に寄った。


「何してんの?」
「え?あぁ、ちょっと気になることがありまして・・・」


にっこりと笑った後、再び手元へ視線を戻した戒厘ちゃんの視線の先を
見ると、そこには一冊の本が握られていた。

「・・・本?」
「ええ・・・」
「・・・でも、それ何??」

戒厘ちゃんの手元の本には、この世の物とは思えないような
文字なのか絵なのか、はたまたただの線なのか・・・
とにかく、読めない何かが書いてあった。


「これは・・・古代の呪いのかかった本です。」
「えぇ?!!」
「・・・フッ・・・」
「・・・戒厘ちゃん!!」


彼女の微笑みを否定ととった私は、からかわれたと思い、
戒厘ちゃんの肩に手をかけた。





はずだった・・・・




「・・・え?」






戒厘ちゃんの肩に乗るはずの私の手が、すとんと私の太ももを叩いた。



「か・・・りん・・・ちゃん?!」






そこに今までいたはずの戒厘ちゃんは、
微笑を残したまま跡形もなく消えていた。


「亜梨ちゃん!!!亜梨ちゃん!!!亜梨ちゃん!!!!!」
「うるさい!」

私は、亜梨ちゃん名前をただ大声で叫びながら、
亜梨ちゃんと梅流ちゃんがいる部屋に飛び込んだ。




どうしよう・・・
戒厘ちゃんが消えた・・・・
あれは術じゃない・・・
きっと、戒厘ちゃんの身に何か起こったんだ・・・


きっと、この本のせいだ・・・




私は混乱して、亜梨ちゃんが正面に立った事すら気づかずにいた。



次の瞬間、頭に思いっきり衝撃を受け、
手に持っていた戒厘ちゃんの消えた本を落とし、
思わずとてつもない痛みを感じた頭を両手で抑えて
涙を堪えながら亜梨ちゃんを見た。



「痛い!!!」
「うるせぇ!」


亜梨ちゃんは、私の言葉をさえぎるように叫んだ。


「どうしたの杏?」


冷静な梅流ちゃんが傍に来て、本を拾い上げた。



「だって、戒厘ちゃんが・・・!!!」
「落ち着け・・・アイツが何かしでかすのは、いつものことだろ・・・」
「違うの!!!違うの!!!!!」
「だから、落ち着け・・・」


呆れて私の前から離れた亜梨ちゃんは、椅子に座ると新聞を広げた。


「杏・・・この本・・・」
「あ、梅流ちゃんそれ・・・」

梅流ちゃんから本を受け取ろうとした瞬間、
本が私の手に触れる前に床に再び落ちた。



「め・・・るちゃん?!!!」
「・・・なっ梅流?!!」



今度は梅流ちゃんが消えた。


「杏?!」
「だから言ったじゃん!!!」
「・・・どういうことだ・・・」


さっき、戒厘ちゃんが消えたこと、
そして梅流ちゃんが消えた事実を目の当たりにして、
亜梨ちゃんと私は本を真ん中にして向かい合って座った。



「・・・何なんだこれは・・・」
「戒厘ちゃんが、消える前に『古代の呪いがかかった本だ』って・・・」
「そんなわけあるか・・・」


亜梨ちゃんが本に手を伸ばそうとしたのを、私はとっさに手を握って止めた。

「危ないよ!亜梨ちゃん!!」
「このまま黙ってられるのかお前?」
「でも、何も作戦もないまま・・・」
「作戦?それは、敵が見えてる上で初めて生きるんだろうが・・・」
「・・・でも・・・」


ゆっくりと手を離すと、亜梨ちゃんは本を手に取ると、ゆっくりと開いた。


「・・・何かいてあるか全然分からない・・・」
「・・・・・・あいつ、どこでこんなもん拾いやがった・・・」
「・・・え?」
「・・・来るぞ・・・」
「はぁ?」


亜梨ちゃんにがっしりと手をつかまれた瞬間、目の前がグニャリと歪んだ。


なんなの本当に!!!!

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