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気まぐれ日記(笑)
普通の日記・音声・バトン、なんでもアリの日記です♪
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7.観察


ある日、久々にのんびりと一つの部屋の中に4人が思い思いの事をして
くつろいでいた。


亜梨ちゃんは、コーヒーを飲みながら、新聞を読んでる。


メルメルは、本を楽しそうに読んでいる。


戒厘ちゃんは・・・
何か薬の調合・・・(汗)?




そして、私はやる事も無くて、戒厘ちゃんが入れてくれた
ハーブティを飲みながら、皆を観察していた。




実際イヤミはなしで、こんなに地上人を観察する事が無かったし、
私にとっては、勉強になるのかも・・・






まず、身体的差はさほど感じない。




多分、地界人特有の肌の黒さを除けば、全く分からないと思う・・・




実際、私もなぜか地界人にしては、地上人みたいな肌をしていると、
地界では言われ続けたし、そう考えると私がこの三人の中に入っても
違和感無いのは、当たり前の事かもしれない・・・






それにしても、亜梨ちゃん疲れないのかな・・・


ずっと新聞ばっか読んで・・・




別に最近面白いニュースも無かったし・・・


大きい事件やらも無かったし・・・




何を見てるんだろ?




まさか、株とかやってたりして?!!




株やってるから世界状況とか気になるのかな!!










・・・ってそんな分けないか・・・






亜梨ちゃんが株やる必要なんてないもんね・・・






あ、そっか・・・
亜梨ちゃん説法・・・?
・・・説教?
・・・とにかく、敵さんやら戒厘ちゃんに言い聞かせる為の、
ネタ探しでもしてるのかな?








ってか、敵にも戒厘ちゃんにも一般常識は通じないと思うんだけど・・・


「・・・フフっ・・・」




突然微かに笑い声が聞こえて、その方向を見ると、戒厘ちゃんが・・・


じゃなくて、メルメルが本を読みながら、笑っていた。




ってか、戒厘ちゃんが薬調合しながら笑ってたら、怖いか・・






それにしても、メルメル見てると、その本の描写が分かるかの様に、
ニコニコしたり、悲しそうな顔したり、怒った様な表情してみたり・・・




亜梨ちゃんとは違う意味で、疲れそう・・・






きっと、今読んでる場面は楽しい場面なんだね・・・








でも、メルメルって最近思うけど、一番喰えないかもしれない・・・






本当は、なんでも知っているのに、それをうまく隠しているというか・・・




それか、分かっていなくても、何か有ると察知する能力が、
かなり敏感と言うか・・・






たまにメルメルって、本当にドキッとする所をついてくるもんね・・・


それから・・・




メルメルから視線を外し、戒厘ちゃんを見ると、
今まで薬の調合をしていた戒厘ちゃんが、
いつの間にかその場所から姿を消していた。




ちょっとびっくりして、気配を探るけど、どこにもいない・・・




「なに、キョロキョロしてるんですか?」
「きゃぁぁぁ?!!!!」




いないと思っていた戒厘ちゃんが、
突然私の後ろから耳元でささやいた事で、私は不覚にも悲鳴を上げていた。




「・・・うるさい。」
「どうしたの杏?」
「なんでもない・・・ごめん二人とも・・・」




亜梨ちゃんもメルメルも慣れっこで、いったん私に目を向けたけど、
すぐにそれぞれのしていた事に戻った。




「戒厘ちゃん?!!」
「いや、さっきから杏ちゃんキョロキョロしてたので、
気になりまして・・・」
「だからって、気配消して真後ろから耳元でささやく事無いでしょ?!」
「・・・いや、まさか悲鳴あげられるとは思ってませんでしたけどね・・・」
「びっくりしたんだから!!」
「でしょうね・・・はい、お茶のおかわり・・・
そろそろ、飲み終わる頃だと思って・・・」
「あ・・・ありがと・・・って、普通に現れてよ!!!」
「スミマセン・・・」




悪びれた様子も無く、ニコニコしたままお茶を入れ替えて、
また薬の調合に戻った戒厘ちゃん・・・






未だに彼女が掴めない・・・






本当に分からない人・・・








優しいのか冷たいのか、穏やかなのかキレやすいのか・・・






まるで、正反対の感情を常に持ち合わしてる様な・・・




絶対、それをあの笑顔でごまかしてるんだ・・・


そんなことを考えつつ、新しく入ったお茶に口をつけると、
今度はさっきのお茶とは違った味がした。




「戒厘ちゃん?」
「なんですか?」




薬の調合からいったん目を離した彼女は、私を見た。




「これさっきのと違う?」
「ええ。さすがに皆それぞれのこと集中してやってますからね・・・
そろそろ疲れて来たと思って、疲れに効くお茶にしてみました・・・」
「・・・へぇ・・・」




確かに、飲むと頭がしゃきっとする気がする。




「なんかさ・・・厘ちゃんって・・・」
「なにメルメル?」




突然口を開いたメルメルを見ると、座ってティーカップに口をつけたまま、
軽く湯気を息で吹き飛ばしながら一口飲み込んだ。




「・・・なんかね・・・なんでも薬にしちゃうような、
なんでも知ってる・・・おばあちゃんみたい・・・」


『ブッ!!!』




私と亜梨ちゃんは思わず吹き出した。


おばあちゃんって・・・!!


お医者さんとか、魔法使いじゃなくて、おばあちゃんって・・・!!!






「梅流ちゃん・・・面白い事を言ってくれますねぇ・・・」
「・・・あ"・・・」




この上なく黒いオーラを放ちつつ、ニッコリ笑う戒厘ちゃんに、
メルメルはさすがに自分の暴言に気が付いたのか、思わず私の後ろに来た。


「って、なんで私の後ろ?!!」
「だって、亜梨姉、こういう時『自業自得だろ』っていうもん!!!」
「だからって、巻き込まないでよ?!!!」
「嫌だなぁ二人とも・・・僕は何もしませんよ・・・」
『嘘だ!!!』


思わず同時に叫んだ私とメルメルは、蛇に睨まれたカエルのように、
その場から動けなかった。




ってか、動いたら絶対死ぬ!!!




「お前ら・・・」




やっと口を開いた亜梨ちゃんに、少しでも期待をもった私が
馬鹿だったと気が付くのは、すぐのことだった。




「宿は壊すなよ・・・金は払わないからな・・・」
『ちょっと!!!』






それから、ギャアギャアと騒ぎ、いい加減我慢の限界がきた
亜梨ちゃんの発砲が出るまで、私たちは逃げ回っていた。






これが私たちの日常・・・
私たちの飾らない姿・・・








もう少し、普通の地上人、地界人の観察がしてみたいと思った
今日この頃です。




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